ニュースで不安にならない習慣 | 自分の考えを育てる方法

世界とわたし

ニュースを見ると不安でいっぱいになる――そんな経験はありませんか?

とめどなく流れ続けるテレビのニュース、目を覆いたくなるような映像、SNSでシェアされる真偽不明の無数の記事。

  • 「物価が上がって大変らしい」
  • 「海外で戦争が続いている」
  • 「移民を大量に受け入れる」
  • 「税金から支払われる多額の海外支援金」

そんな言葉を耳にしただけで、胸がザワザワしてしまうものです。

「私たちの生活はどうなるんだろう」「この先、子どもたちが生きる日本の将来は大丈夫なのかな」――そう考えて、不安でいっぱいになる人も多いはずです。

この記事では、「ニュースで不安にならない習慣」と「自分の考えを育てる方法」を紹介します。

世界情勢や国内問題に不安を感じやすい人でも、ニュースを「不安を感じるもの」ではなく「考える材料」に変える方法を、具体例や問いかけを交えて解説します。

この記事を読み終わった後から、ニュースを見る目がガラりと変わりますよ。

ニュースを見て不安になる画像

著作者:freepik

不安になるのは自然なこと

人間はそもそも「危険や不安」に敏感な生き物です。なぜなら、昔は小さな集落で協力して生き延びてきたため、些細な危険も敏感に察知し、共有し、避けることが生存に直結してい宝です。

つまり、ニュースを見て心配になるのは、人間という生物として当たり前のこと。メンタルが弱いからではなく、生存本能の働きなのです。そして、ニュースを見て不安になりやすい人は、むしろ生存本能の感度が高い人だと言えるでしょう。

ここで大切なのは、不安を不安のまま放っておかないことです。

ニュースをきっかけに「自分の考え」を育てれば、不安は“自分の軸”を育てる材料になります。不安を感じたその時こそ、アップデートのチャンス。しっかりと安定したブレない軸は、自分らしく強く生き抜く力になるのです。

ニュースの性質を理解する

まず念頭に置いておきたいのは、ニュースは「世界で起きたことのすべて」ではないということ。私たちの目に入ってくるニュースは、誰かによって切りとられた断片だということを理解しておく必要があります。

目的を持って書かれている

どんなニュース記事も、「目的」を持って書かれています。

たとえば、国や大手報道機関が出す記事なら、国民がパニックにならないようにあえて重要なことをふせたり、逆に規制をかけるためにわざと強調するような表現の記事もあります。週刊誌の記事なら、注目を集めるために過激な書き方をすることもあります。SNSの個人投稿なら、炎上狙いの偏った意見が目立ったり、真偽不明の内容が含まれることもあります。

つまり、どんなニュースにも必ず発信元の「目的」があり、それに沿った表現で書かれているのです。だからこそ「このニュースは読者をどう誘導したいのかな?」と考えることが大切です。

誰かの立場や価値観が混ざっている

多くの場合、ニュース記事は一人の人間が書いていて、書き手の文化、宗教、国、経歴などによって作られた”価値観”が文章に反映されます。つまり、ニュース記事は書き手の価値観や主観をもとに文章が作成されているため、事実や情報だけを受け取っているつもりでも、”よく知らない誰かの主観や価値観を軸とした情報”を取り込んでしまっている可能性が高いです。

ニュースを見るときは、まずは「話半分」で情報を受け取りましょう。

例えば、裁判を例に考えてみましょう。裁判官はどちらか一方だけの話を聞くことはなく、登場人物それぞれの主張を聞き比べ、証拠を精査し事実の確認をし、公正な判断を下しますよね。

ニュースを見るときは、裁判官になったつもりで、様々な書き手と様々な発信元のニュースを聞き比べてみるといいでしょう。見比べて初めて、事の真相が見えてきます。

一つのニュースで真実や全体像を把握することは不可能

世界の大きな出来事も、国内の問題も、実際は何年も何十年もかけて様々な要素が複雑に絡み合って「大きな問題」になっていることが多いです。この「大きな問題」を1,000ピースのパズルだとすると、ニュースが伝えているのは短時間で視聴者に伝わりやすく、インパクトのある絵柄の「数個のピース」に過ぎません。

つまり、一つのニュースだけで「大きな問題」の全体像を知ることは不可能。だからこそ、いくつものニュースを組み合わせて全体像を探ることが大切なんです。

こうしたニュースの性質を知らずにニュースを見ると、不安はどんどん大きく膨らみます。

逆に、こうしたニュースの性質を理解しておくだけで、不安に振り回されず、広い視野で冷静にニュースを受け取れるようになります。

パズルの画像
Background of falling puzzle pieces

著作者:kjpargeter/出典:Freepik

多角的視点でニュースを見る

ニュースを見て不安に押しつぶされないためには、ひとつの記事だけを信じ込まず、複数のニュースを見比べることがとても大切です。

なぜなら、同じ出来事でも「どこを批判するか」「何をすべきと主張するか」「どんな姿勢で報道するか」は、国や立場によってまったく変わってしまうからです。

ここでは、ロシア対ウクライナの戦争を例に、各国の主要メディアがどのように報じたかを見てみましょう。

国ごとのニュースを見比べる

ロシア対ウクライナの戦争という一つの事実を、各国の主要メディアはそれぞれこのように報道しています。

  • アメリカ(NYT、ワシントン・ポストなど)
    • 批判 ❌→ ロシアの侵略、プーチン政権
    • 主張 ⭕️→ ウクライナへの軍事支援、NATOの結束
    • 姿勢 → 民主主義を守る「戦い」を前面に出す
  • ロシア(タス通信、RTなど)
    • 批判❌ → NATOの拡大、西側の干渉
    • 主張 ⭕️→ 「特別軍事作戦」は自衛、制裁は不当
    • 姿勢 → ロシアは被害者であり正義という立場を強調
  • EU(ヨーロッパ)(BBC、ル・モンド、シュピーゲルなど)
    • 批判❌ → ロシアの侵略、人権侵害、国際法違反
    • 主張⭕️ → ウクライナ支援と制裁強化、同時に停戦や難民支援も必要
    • 姿勢 → アメリカに同調しつつ「法と人道」を重視する冷静なトーン
  • 中国(人民日報、新華社など)
    • 批判❌ → アメリカ・NATOによるロシア包囲、武器供与
    • 主張 ⭕️→ 対話と和平、制裁は逆効果
    • 姿勢 → 中立的な「調停者」として振る舞うが、ロシア批判は避ける
  • 日本(NHK、読売、朝日など)
    • 批判 ❌→ ロシアの侵略、国際秩序を乱す行為
    • 主張 ⭕️→ G7と連携した制裁、防衛強化、国際協調
    • 姿勢 → アメリカや欧州と同調しつつ、日本独自の安全保障不安を反映

国ごとに色の偏りがある

  • アメリカ → 赤いフィルター(力・戦い・対抗心)
  • ロシア → 黒いフィルター(防御・正当化・秘密保持)
  • EU → 赤+青=紫のフィルター(アメリカと同調+秩序や人権の重視)
  • 中国 → 緑のフィルター(調停・安定・中立)
  • 日本 → 赤+半透明=半透明の赤いフィルター(アメリカ同調+アジア的事情)

同じ一つの戦争でも、それぞれの立場が報道することで、「誰が悪者で誰が正義か」が変わり、まるでそれぞれの報じている戦争は全く別物のように見えます。つまり、私たちの目にするニュースは、事実そのものではなく、それぞれの立場や事情というフィルターを通した“色の偏った事実の断片”なのです。

各色のフィルターを全て重ねて、初めて、フルカラーの事実を見ることが出来ます。

ニュースの戦略的役割

ここでもう一つ理解しておきたい大切なポイントがあります。国際的なニュースは、事実を報道するだけではなく、次のような「役割」があります。

  1. 立場の表明:世界に向けて立場を表明し、牽制し合う
  2. 防衛的な主張:自国の利益を守るための言葉選び
  3. 世論の誘導:国民を納得させ、政治を動かしやすくする誘導

だからこそ、同じ戦争を取り扱ったニュースでも、それぞれの国ごとに全く別物のように見えるのです。

この仕組みを知っておくだけでも、ニュースの“波”に巻き込まれず、冷静に観察できるようになります。

世界のニュースの画像
Hands working on digital device network graphic overlay

著作者:rawpixel.com/出典:Freepik

自分の考えを育てる

ニュースを見て不安になったら、そのままで終わりにせず、漠然と感じた気持ちを言葉にしてみましょう。「悲しい」「怖い」「怒り」「なぜ?」「おかしくない?」ーーどんな感想も正解・不正解はありません。どんな気持ちを感じても大丈夫です。

感じたことを言葉にし、書き出し繋げていくことで、「私はどう感じたか」という問いの答えが見えてきます。これが不安を減らし、心を強くする習慣の最初の第一歩です。

そして、それが次のステップの「自分の考え」へと繋がっていきます。

ニュースを見た時に考えてみたいこと

自分の感情をうまく言葉にできたら、次はもう一歩踏み込んで考えてみましょう。いくつか自分に簡単な質問してみることがおすすめです。

では、先ほどのロシア対ウクライナの戦争のニュースを例に、一緒に考えてみましょう。

  • 私はこの問題の先にどんな結末を望む?
  • 今一番支援を必要としている弱い立場の人は誰だろう?
  • もしも自分が日本の首相ならどんな意見を主張する?
  • この戦争で得するのはどんな人たち?
  • このニュースを友達に説明するとしたらどんな言葉で伝える?

こうした問いを立てるだけでも、ニュースの見え方が変わり、自分の考えが徐々にクリアになっていきます。

意見は変わっても大丈夫

ニュースは「事実」ではなく、「考える材料」です。

私たち一般市民が、世界で起こっている真実を100%正確に把握することは、絶対に不可能です。だからこそ、それについて真偽を言い争ったり、他人の意見を否定することは極めて無意味な行為です。

大切なのは、真実の追求ではなく、「今の自分はこう感じた」と言葉にしてみること。そして、「自分の考え」を持つことです。

さまざまなニュースを見比べ、考えを深めていくと、自分の意見がころころ変わることもあります。それはとても自然で健全なことで、意見が変わるたびに視野が広がり、自分自身が成長している証拠です。

多角的に見れば見るほど、新しい視点に出会い、考えは柔軟に変化していくものです。そうして人間の脳は年齢に逆らい成長し、それに伴って精神も成熟していくのです。

自分の考えを書き出す画像
Hard working even at morning in bed is key for success

著作者:jcomp/出典:Freepik

まとめ

ニュースと向き合うときに理解しておきたい6つのこと

  • ニュースは目的を持って書かれている
  • 知らない誰かの価値観で書かれている
  • 一つのニュースで真実や全体像を把握することは不可能
  • 様々なニュースを比較することが大切
  • 一般人が真実を知ることはほぼ不可能
  • ニュースは「事実」ではなく「考える材料」

この6つのことを理解してニュースを見ると、ニュースと自分との間にしっかりとした境界線ができ、不安にならずにニュースと向き合うことができます。

この境界線をはっきりとさせておくことで、客観的且つ冷静にニュースと向き合い、自分の外側から入ってくる情報に左右されない”心の軸”を持つことに繋がります。

そして、「私はどう感じたんだろう?」と、自分に問いかけてみてください。感じたことを言葉にし、書き出し繋げていくことで、脳が情報と感情を適切に処理でき、不思議と頭と心がスッキリします。ノートに書くのもいいし、信頼できる誰かに話すのもいいと思います。

それだけで、自分の考えは確実に育っていきます。

考えがころころ変わっても大丈夫。今日と明日で違ってもいいし、1年後にはまるで別の視点で見ているかもしれません。誰かと意見が合わなくても、それでいいんです。正解なんてないのだから。

「今の自分はこう感じた」と素直に受け止めたその瞬間、もうあなたは“考える力”を使っています。

そうして自分の考えが少しずつ明確になってくると、不安はいつの間にか消え、“自分にできること”へと動き出します。SNSで思いをシェアしたり、誰かと話してみたり、投票や署名に参加してみたり――その小さな一歩が、未来を良くしていく大きな力になります。

特別なことをしなくても大丈夫。ニュースを見て「私はこう感じた」と心の中で言葉にしてみるだけでいいんです。それも立派な「社会との関わり方」のひとつです。

今日ひとつニュースを見たら、ぜひ自分に問いかけてみてください、「私はどう感じた?」と。

その瞬間から、ニュースは「不安を感じるもの」ではなく、「考える材料」へと変わります。そうすれば、いつの間にかきっと、あなたの生きる世界が明るくやさしく変わっていることに気付くでしょう。

楽しく考える画像
Lovely good-looking girl in blue clothes has a good idea. Joyful female model thinking about something pleasant.

著作者:rawpixel.com/出典:Freepik

📌 このカテゴリー「世界とわたし ー 揺るがない心で読むニュース」は、世界の出来事を通じて「不安に飲み込まれない力」を育てるための場所です。

答え探しではなく、”考えるプロセス”そのものを一緒に楽しんでいきましょう。

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