朝、目覚ましが鳴っても体が重い。寝たはずなのに、朝からどこかだるい。気合いを入れて家事や仕事をこなしても、午後にはもうエネルギー切れ。些細なことにもイライラするし、大事な人にも優しくできない。
だけど、熱もない。どこかが痛いわけでもない。健康診断でも引っかからない。病院に行っても納得いく診断が出ない。
体も心もとにかくだるく、続く原因不明の不調で気持ちも落ちて、罪悪感も湧いて、焦りや不安ばかりが増していく…。
そんな原因不明の不調でお悩みの方、意外と多いのではないでしょうか?
生まれてこの方超絶健康優良児、いつでも元気いっぱい、病気知らず疲れ知らず、あだ名は「体力おばけ」、そんな私に不調が起こったのは、今年の10月頭ごろでした。
もともと人体や健康の知識があった私は、さまざまな観点から自分に起こっている症状について調べてみたところ、「副腎疲労」に辿り着きました。
つまりつい先月、私が実際に経験したばかりのことなので、自分に起こった症状や実践して効果があった改善策なども含めて、フレッシュな実体験として記事にします。
同じような症状でお悩みの方がいたら、ぜひ下記のチェックリストで自己診断してみてください。

副腎疲労という未病
最近よくSNSでも見かけるようになった言葉ですが、まだまだ世間に浸透していない言葉です。そもそも、「副腎」がまず何なのかわからない人がほとんどです。
副腎とは、腎臓の上にちょこんと乗った小さな臓器です。重さにするとたったの5グラムしかない臓器ですが、その働きは驚くほど多岐に渡ります。また、副腎が担うすべての機能が、生命活動の重要な役割を担っています。そのため、この副腎が弱ってしまうと、全身のあらゆる機能に不調が起こります。
副腎は、生命力の源であり、心と体のあらゆる機能を調整する中枢、総司令部のようなものです。
副腎はさまざまなホルモンを分泌させてあらゆる機能の調整をしています。その中でも、コルチゾールという抗ストレスホルモンはストレスから心と体を守るための重要な分泌物です。また、コルチゾールが分泌されると血糖値が上がる仕組みも備えています。コルチゾールの分泌量は朝に上がり夜に下がる基本のリズムを保ちながら、突発的なストレスを感じると追加で分泌されます。
ストレスや睡眠不足や生活習慣などによって、常にコルチゾールを分泌し続けなければいけない状況に陥り、副腎自体が疲弊しコルチゾールを分泌できなくなってしまった状態が副腎疲労です。
西洋医学では、副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)と呼ばれ、正式な病名ではなく概念として扱われます。また、病院での基本的な検査では数値として現れにくいため、原因不明の体調不良や、ただの過労として軽くみられることが多いです。確かに不調を感じているのに、病気としては認められない。病気未満の不調、それが未病なのです。しかし、「現代人特有の慢性疲労」として、世界中の専門家が注目しています。
東洋医学では、「腎虚」として捉えられ、”腎”を元気に回復させるための漢方薬や鍼灸での治療を行います。

副腎疲労の症状
副腎疲労の症状は、全身のあらゆる機能に現れます。しかし、いずれも痛みや吐き気などの強い症状を催すわけではないので、病院の問診でも全ての症状を伝えられる人は少ないです。
私の場合は、朝起きられない、夜は頭が冴えて眠れない、何事にもやる気が起こらず面倒臭く感じる、続けていたジムにも行く気になれない、些細なことでイライラする、時間に関係なく1日中コーヒーを激しく欲する、疲れると甘いものを激しく欲する、などの症状がありました。どれも、普段ではない症状でしたので、「私どうしちゃったんだろう…」と不安になりました。
どれも些細なことではあるんです。「ちょっと疲れてるのかな…季節の変わり目だからかな…」ぐらいのものだったのです。しかし、体調を立て直そうと思っても、眠りたくても眠れず、朝はとにかくだるくて起きられず、予定が狂ったり、目標を達成できなかったり、不安や焦りや罪悪感が日に日に増えていくことがとても辛かったです。
体だけではなく、心も弱っていくのが副腎疲労の恐ろしいところです。手遅れになってしまう前に、ぜひ、下記のセルフチェックで自分に当てはまるものがいくつあるか試してみてください。
副腎疲労セルフチェック
以下の項目に当てはまるものをチェックしてみてください。
- 朝起きるのがつらい。
- 熟睡できず、朝目が覚めても疲れがとれていない。
- 甘いものや塩分が濃いもの(しょっぱいもの)が好き。
- エネルギーが不足している感じがする。元気が出ず、だるい。
- 今まで出来ていた日常的なことをやるのに一苦労する。
- 性への興味が低下している。性欲がない。
- ストレスにうまく対処できない。小さなことでもイライラし人に八つ当たりしてしまう。
- 風や呼吸器の感染症に罹りやすい。罹ってもなかなか治らない。ぶつけた傷も治りにくい。
- 気持ちが落ち込む。うつっぽい感じがする。
- 人生に何の意味も見いだせない。楽しいことがない。
- PMS(月経前症候群)が悪化している。
- 月経の始まる数日前から、腹痛・頭痛・肩こり・むくみ・便秘・下痢・眠気・気分の落ち込みなどが激しくなる。
- これらの症状は月経がはじまると軽快する。
- コーヒーやコーラなどのカフェインの入った飲み物やチョコレートを口にしないとやる気が出ない。
- ボーっとすることが多い。集中力が低下した。
- 物忘れをすることが多くなった。昼食に何を食べたか思い出せないほど記憶力が落ちた気がする。
- 食事をスキップするとぐったりしてしまう。
- 甘いものを食べると元気になるが、その後だるくなる。
- 我慢が出来なくなり、急にきれてしまう。
- 夕食後の午後6時以降になると少しずつ元気になってくる。
― 本間良子先生著「しつこい疲れは副腎疲労が原因だった」より引用 ―

これらの項目のうち3項目以上当てはまる場合は、「副腎疲労」の可能性があります。一度、専門機関を受診してみることをおすすめします。
ちなみに私は14個当てはまっていました。(怖)今はすっかり回復し、当てはまるのは2個だけです!
副腎疲労かもしれないと思ったら
上記セルフチェックで3個以上当てはまったら、まずやってほしいことがこの5つ。
- 睡眠時間を確保する
- カフェインと糖を控える
- 心と体を緩める
- 専門機関を受診する
- サプリメントで栄養チャージ
まずは、少なくとも不調を感じなくなるまでの間は、22時から24時の間に眠りにつき、8時間を目安にしっかり眠るようにしましょう。「寝だめ」は回復に効果がありません。「毎日同じ時間に眠ること」が副腎の修復ホルモンの分泌を助け、回復につながります。もしも眠れなくても、夜は室内灯をオレンジの優しい明るさに抑えたり、テレビやスマホを見ることを控えたり、アイマスクで目を覆ったり、目を休ませるだけでも体は回復しやすくなります。
カフェインや糖は、疲れた体にとっては覚醒剤のようなものです。体が疲弊していても、コーヒーやエナジードリンクやスイーツで瞬時にエネルギーを得ることができますが、体はさらにボロボロに疲弊します。代わりに、ディカフェのコーヒーを飲むようにしたり、カフェインレスのハーブティーなどで優しいエネルギー補給を心がけましょう。
副腎疲労は、長期間の睡眠不足やストレスにさらされ、抗ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌し続け、ついには底をついてしまい、十分にコルチゾールを分泌できなくなってしまっている状態です。肉体的にも、精神的にも、ストレスから物理的に遠ざかることが先決です。お風呂で体を温めたり、気持ちいいと感じる程度のストレッチやマッサージで体をゆるめたり、たくさん笑うことがとても効果的です。心と体をゆるめることで、コルチゾールの波を整えることができます。
専門機関の受診は、内科の中でも内分泌科がお勧めです。受診した際に、「副腎疲労の疑いがある」と伝えることで、基本的な検査にプラスして、副腎から分泌されるホルモンの検査をしてくれます。特に、コルチゾールの値を時間別にチェックすることで、副腎疲労の明確な診断を下すことが出来ます。
副腎は栄養を大量に消費します。ビタミンC(ピーマン・柑橘類)、B群(豚肉・卵・玄米)、マグネシウム(海藻・ナッツ)を意識的に摂りましょう。分子栄養学や予防医学を専門にしている先生にサプリメントや食事指導をしてもらうのが一番効果的です。食事で補おうとすると結構大変なので、分子栄養学血液検査で自分に必要な栄養素を理解した上で、体調が安定するまでの間はサプリメントで補うというのがおすすめです。

まとめ
副腎疲労の可能性は、誰にでもあるのではないかと思います。だからこそ、みんなしんどくても頑張ってる、自分だけ休むわけには、と思うのではないでしょうか?まさに「現代人特有の慢性疲労」ですよね。
私もそうでしたが、体調を整えようにも時間がない、眠りたくても眠れない、いつまでこのだるさが続くんだろう…と不安に思う人が多いと思います。中には、怠けていると思われるのが怖くて、誰にも相談できなかった人もいるかもしれません。病院の先生が真剣に取り合ってくれなかったとしたら、なおさら辛いでしょう。
私のこの不調は副腎疲労だったんだ!と気づいてからは、夜はテレビとスマホを封印し、部屋を真っ暗にして、アイマスクで徹底的に目を休め、眠れないうちはくだらないことを考えて脳を休めました。そして、簡単にエネルギーチャージしようとするのではなく、旬の野菜や緑黄色野菜や魚や鶏肉を中心に栄養たっぷりの食事を摂るようにしました。毎日3杯以上飲んでいたコーヒーはディカフェに変更し、甘いものはかぼちゃ・芋・栗で補いました。そして、ジムでは筋トレをお休みし、ストレッチに時間をかけ、いつも以上にゆっくりペースで有酸素運動をしました。
生まれてこの方、健康だけが取り柄の「体力おばけ」の私でも、副腎疲労は起こりました。今回は不調を感じ始めてからすぐに副腎疲労だと気づけたので、病院には行かずに自分で体調を立て直すことができましたが、もしも気づけずにこのまま症状が進んでいたらと思うと、とても怖くなりました。
これを機に、自分の健康体を過信しすぎずに、もっと自分の体を大切にケアしようと心に誓いました。
私と同じように、続く原因不明の不調で悩んでいる人に、この記事が届き、心と体を休め元気に回復してくださることを祈ります。

