「ジョギングを始めようかな」と思った矢先に、ネットやSNSで「有酸素運動は老ける」なんて言葉を目にして、えぇっ!?と戸惑ったことはありませんか?
結論から言うと、有酸素運動はやり方を間違えると老けます。そして、科学的に正しくやれば細胞から若返ることが出来るんです。
つまり、老けるか若返るかは“やり方次第”。
実際、私はジムに通い始めて約8ヶ月、最初は筋トレとストレッチメインで頑張っていたのですが、なかなか見た目も数字も変化が出ず…。そこで、半ば嫌々ながら有酸素運動を実践してみたところ、3週間で脂肪が2kgも減り、全身の浮腫が抜け、ウエストはくびれ、全身の肌艶が増し、頭も心もクリアになりました。
ダイエット効果だけでなく、まさに”若返り”を実感できたことで、今では有酸素運動がやめられなくなりました。
この記事では、私が実践し効果を得られた、細胞から若返る!最新科学が導く有酸素運動3つのポイントをお伝えします。この3つのポイントを正しく理解して始めれば、「つらい・面倒・嫌い」と思っていた運動が、むしろ「気持ちよくて、楽しくて、毎日やらずにはいられない、大好きな日課」に変わります。

有酸素運動とは
有酸素運動とは、筋肉への負荷が比較的軽く、長時間継続して行える運動のことです。ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクス、水泳などが代表的です。
体内の血糖や脂肪とともに、酸素を使ってエネルギーを作り出す仕組みのため、有酸素運動と呼ばれています。
体を動かすときに、筋肉は「アデノシン三リン酸」というエネルギーを使いますが、その材料になるのが糖質と脂肪です。食事で摂取したエネルギー源のうち、糖質は肝臓や骨格筋に貯蔵され、余った分は中性脂肪として体内に蓄えられています。この使われずに余った中性脂肪が増えすぎると肥満になり、糖尿病や高血圧、動脈硬化など、さまざまなトラブルを引き起こします。
有酸素運動を始めると、まず最初に糖質が使われ、次第に脂肪が酸素と一緒に燃やされるようになります。この、“酸素を使って脂肪を燃やすプロセス”こそが有酸素運動の特徴です。
有酸素運動をすることによって、血流や心肺機能が高まり、酸素と栄養が全身をめぐり代謝が上がります。この循環こそが、若返りを可能にするシステムなんです。

老ける原因は「酸化」と「ストレス」
有酸素運動で老けると言われる一つ目の理由は、ズバリ「活性酸素による酸化」です。
有酸素運動をすると、息が上がってたくさんの酸素を取り込みます。酸素を適量よりも多く取り入れすぎてしまうと、体内で活性酸素が過剰に増えすぎてしまい、細胞を酸化させて(サビつかせて)しまうのです。
活性酸素は、本来は体を守る防御反応の一部です。しかし、激しい運動や紫外線、睡眠不足などによって活性酸素が増えすぎてしまうと、DNAやタンパク質を攻撃し傷つけてしまいます。DNAが傷ついてしまうことで、シミ・シワ・白髪・筋肉の減少・慢性的な疲労感など、いわゆる「老化現象」が起こります。
そして、二つ目の理由が「コルチゾールの過剰分泌」です。
有酸素運動をすると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは強い抗炎症作用を持つホルモンで、あらゆるストレスから身を守り、生命維持に欠かせない役割を果たしています。ストレスを感じたときに分泌されるため、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
コルチゾールは、適量や瞬間的な分泌増加であればストレスから身を守り、集中力を高める働きがあります。ですが、過剰に分泌されると筋肉量を減らしてしまい、代謝を下げる原因になってしまいます。
筋肉が減り代謝が低下→脂肪が燃えにくくなる→呼吸が浅く・速くなり酸素消費量が増える→さらに活性酸素が増える――。まさに悪循環です。
つまり、「息が上がるほど長時間走る」「寝不足・空腹で無理に動く」「きつくても無理して頑張る」ーーそんな無理な頑張り方が老けを進めてしまうのです。

有酸素運動がもたらすメリット
ここまで、「有酸素運動で老ける理由」を書いてきました。
やっぱりやらない方がいいじゃん!と思ったあなた、ちょっとお待ちください!有酸素運動にはたくさんのメリットもあるんですよ。
- 睡眠の質が上がる(寝つきが早くなる)
- 消化力が高まり、腸の調子が良くなる
- 免疫力が上がり、風邪を引きにくくなる
- 食欲が整い、暴食が減る
- 血流が改善し、肌にツヤが出る
- 脳が若返る(記憶力・集中力アップ)
- ストレスホルモンが減る(イライラが減る)
- 「やる気ホルモン」ドーパミンが増える
- 感情の安定(セロトニンの分泌) など
これらは有酸素運動によってもたらされるメリットのほんの一部です。
「若返る」と言っても、その効果は外見だけでなく体内から起こり、寝ている間も含めた24時間全てーーさらには”心”までもが若返り、まるで生まれ変わりのような効果を得ることができるのです。
若返る鍵は「エピジェネティックな変化」
最近の分子生物学の研究では、「運動はDNAレベルで老化を遅らせる」ことが明らかになっています。
研究チームは、DNAに刻まれた“メチル化パターン”という化学的マークをもとに「生物学的年齢(=エピジェネティック・クロック)」を測定しました。その結果――有酸素運動と筋トレを8週間続けた人たちのDNA年齢が、平均で2歳若返ったのです。
たった2か月で、細胞レベルの時計が巻き戻る。これは、単に「見た目が若返った」という話ではなく、体の設計図であるDNAそのものが若返ったということです。
日常生活の中で、歩いたり家事をしたりすることでも、健康効果は得られます。
しかし、ジョギングや筋トレのように計画的に体を動かす運動の方が、老化を劇的に遅らせる効果が高いということが分かっています。その理由は、心肺機能の高さがDNAの若さと直結しているからです。
ジョギングや筋トレなど、無理のない範囲で強度を調整しながら継続していくことで、基礎体力がつき、心肺機能が上がり、それによって毛細血管までしっかりと酸素と栄養が巡ることで、細胞レベルを超え、DNAレベルで若返ることが可能なんです。
さらに、ラットを使った実験では、運動によって心臓・肝臓・脂肪組織・腸内といった主要な臓器の老化スピードが”一斉に”遅くなることも確認されました。

有酸素運動はまるで「天然サプリ」
有酸素運動は複数のホルモンを同時に分泌できるため、心と脳の回復効果が高い行為です。
特に、走ることは脳への血流を増やし、脳の活性化やストレス解消につながるため、「脳のマッサージ」に例えられます。1回の運動で即効的に幸福感を得られ、継続すれば、ストレスに強く創造的に生きられる脳へと変化していきます。
◉セロトニン:心を安定させる幸せホルモン
有酸素運動でセロトニンが活性化すると、気分が安定し、不安やイライラが軽減されます。朝のウォーキングやリズム運動が特に効果的で、「心がスッキリ軽くなる」感覚をもたらします。
◉ドーパミン:やる気と達成感を生む報酬ホルモン
運動によってドーパミンが分泌されると、モチベーションや自己効力感が高まります。「今日も頑張れそう」と感じるのは、脳の報酬系が活性化している証拠です。
◉ノルアドレナリン:集中力と前向きな緊張を生むホルモン&神経伝達物質
軽い緊張をもたらすノルアドレナリンが分泌されることで、注意力が高まり、思考が冴えます。ポジティブなエネルギーに変換されるため、ストレス対処力も向上します。
◉エンドルフィン:痛みを和らげる脳内モルヒネ
長めの有酸素運動で分泌されるエンドルフィンは、痛みや疲労感をやわらげ、幸福感を高めます。「ランナーズハイ」と呼ばれる多幸感は、この物質によるものです。
◉アナンダミド:深いリラックスを生む至福ホルモン
アナンダミドは、運動後の穏やかな幸福感や創造性の高まりに関係します。リズム運動や自然の中でのウォーキングが、脳を“静かに整える”効果を生みます。
◉BDNF:脳を若返らせる神経栄養因子
BDNFは、脳の神経細胞を修復・再生する物質で、運動によって分泌が促されます。記憶力や学習力を高め、うつ病予防にも効果的です。
◉コルチゾール:全身の機能を整えるストレスホルモン
有酸素運動は、一時的に上がったコルチゾールをその後低下させ、ストレスをリセットします。結果として、ストレスに強い心身をつくります。
◉テストステロン&エストロゲン:自信と安定感をもたらす性ホルモン
適度な運動は、テストステロンやエストロゲンの分泌を整えます。これにより自信や積極性が高まり、情緒の安定にもつながります。
◉グレリン&レプチン:食欲と気分のバランスを保つ空腹ホルモン
有酸素運動によってこれらのホルモンが整うと、食欲や感情的な過食が落ち着きます。「ストレス食い」が減り、心身の調和が取り戻されます。

若返る有酸素運動3つのポイント
ここまで、「老ける原因」と「得られるメリット」を説明してきましたが、じゃあ、具体的には何をどうすればいいの?と思いますよね。
まず、大前提として、個人個人の基礎体力、筋力、持久力、心肺機能、体質、持病など、誰一人として同じ人はいないわけですから、誰もがこうするべきとは言えません。運動をする上で、一番重要なことは、無理をしないこと。
その上で、昨日よりも今日、少しずつ少しずつ、時間を長くしたり、距離を伸ばしたり、速度を上げたり、負荷をかけてみたり、自分の体の声を聞きながら調整してください。
若返る有酸素運動3つのポイントは、
① 呼吸と心拍数を意識する
② 筋トレ(無酸素運動)と組み合わせる
③ 運動後の「栄養」と「休息」を忘れない
① 呼吸と心拍数を意識する
有酸素運動をする際は、過剰な活性酸素の発生を抑えるために、呼吸が上りすぎないようにペースをコントロールし、息を吐くことを意識することが重要です。呼吸のリズムは「吸う・吸う・吐く・吐く」が基本とされています。
また、有酸素運動中の最大心拍数の60%〜70%を維持することで、効率よく脂肪が燃焼し、かつ活性酸素の発生を抑えられます。年齢に応じた「最大心拍数」を計算し、そこから目標心拍数を算出します。
*最大心拍数は、運動時にもうこれ以上頑張れない!となった時の心拍数。
一般的には「220ー年齢」で計算され、40歳の場合、最大心拍数は「220-40=180拍/分」になります。 「60%=180×0.6=108」「 70%=180×0.7=126」
つまり、40歳の人に推奨される有酸素運動時の心拍数は108〜126です。
心拍数は呼吸によってコントロールすることが出来ます。心拍数を下げたいときは、呼吸のペースをゆっくりに抑え、しっかりと息を吐き切りましょう。息を吸うときは、胸に空気を入れるのではなく、おへその辺りの低い部分に空気を入れるよう意識してみてください。
現代では、スマートウォッチなどで簡単に心拍数がチェックできます。もしもスマートウォッチを持ってないよという人は、”軽い会話をしながら走れる程度”が目安になります。たとえば、早歩き・自転車・軽いダンスなどで、息が少し弾むけれど軽い会話ができるくらいのペースです。
また、20分を超えるジョギングや、ゼェゼェする運動を続けるよりも、10分×2回のウォーキングのほうが、体には優しく、酸化ストレスも少ないです。しかも、血流が良くなることで脳の血管も柔らかくなり、思考もクリアになります。
もし「10分もムリ…」という人は、5分の歩幅大きめウォーキングでOK。実際、スタンフォード大学の研究でも「5分の軽い運動でも幸福度が上がる」ことが確認されています。
5分で息が上がらなくなってきたら、8分、10分、15分、20分と、少しずつ時間を伸ばしてみましょう。
たった5分のウォーキングでも、継続することで筋肉が慣れ、基礎体力が上がり、心肺機能が上がります。すると、日に日にコルチゾールの分泌量が落ち着き、どんどん気持ちが前向きになり、「今日はあと少しだけいけるかも?」と、ストレスなく時間と距離を伸ばしていくことが出来ます。
若返りと健康を目的とするならば、少し息が弾むけれど軽い会話ができる程度にとどめる。そう考えると、実際激しい運動なんてできないんですよ。本当にこんなもんで大丈夫なの?と思うぐらいに軽い運動で十分なんです。
② 筋トレ(無酸素運動)と組み合わせる
筋トレと有酸素運動は、若返り✖️脂肪燃焼の最強コンビです。「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うことで、筋トレで一気に体の糖質が使われ、続く有酸素運動で脂肪が効率よく燃焼します。
筋トレと有酸素運動を一緒に行うによって、基礎代謝が上がり、酸化ストレスに強い体がつくられるほか、若返りホルモンである「成長ホルモン」「テストステロン」「マイオカイン」、そして幸せホルモンの「セロトニン」「ドーパミン」「エンドルフィン」などが分泌され、肌ツヤや気分の安定にも良い影響を与えます。
ただし、長時間のやりすぎはコルチゾールが増えて筋肉を分解してしまうこともあるため、“少し物足りない”くらいで終えるのが理想です。
運動が苦手な方は、「スクワット3回+5分の歩幅大きめウォーキング」を、どちらも息が上がらない程度にゆっくりやってみてください。特に食後30分以内のスクワットは、血糖値の上昇を抑える効果もあるので、日常的にスクワットをする「プチ習慣」を取り入れてみてください。
無理をせず、「今日はこれだけ出来た!」と、体を動かせた自分を褒めながら続けていきましょう。若返りのための運動に、100点満点の努力は要りません。「よし、やろう」と、楽しんで体を動かせればそれで十分なんです。
③ 運動後の「栄養」と「休息」を忘れない
運動後は、体が修復モードに入る大切な時間。このとき抗酸化栄養素を補うと、「酸化=老け」を防ぎながら若返りを加速できます。
おすすめは——
- ビタミンC(柑橘・キウイ・ブロッコリー)
- ビタミンE(ナッツ・アボカド)
- ポリフェノール(ベリー・緑茶・カカオ)
- アスタキサンチン(鮭・海老・蟹)
特に、抗酸化力の強い柑橘類やベリー類はスムージーにすると、運動後すぐに手軽に摂れておすすめです。緑黄色野菜と鮭の蒸籠蒸しや、鶏胸肉のトマト煮込みなどは抗酸化物質+タンパク質で、若返りと筋肉修復を同時にサポートできるのでおすすめです。
「頑張って運動したあとに、美味しい果物を食べる」それだけでも、若返りスイッチが入ります。
また、お風呂に浸かって体温を上げることで、毛細血管までしっかりと血液が巡り、疲労回復や筋肉痛予防に効果的です。運動で高まった交感神経を、お風呂で副交感神経へと切り替えてあげることで、その後の睡眠導入がスムーズになります。
そして、なんと言っても睡眠が一番重要。成長ホルモンが分泌される夜22時〜2時の時間帯は「細胞の修復タイム」。しっかり眠ることで古い細胞が排出され、新しい筋肉が育ち、心身ともに再生します。逆に、睡眠不足は活性酸素を過剰に発生させてしまうため、運動よりも本気で取り組みましょう。

まとめ:生きることは循環させること
人の体は、37兆個もの細胞を基に、「食べる・動く・休む・笑う」という活動で、エネルギーを循環させ若さと健康を保っています。つまり、生きることはエネルギーを循環させることなのです。この循環が停滞したり、ストレスがかかりつづけると、体も心もサビつき、細胞から老けてしまいます。
有酸素運動で大切なことは、「努力」ではなく「楽しむ」こと。「鍛える」ではなく「循環させる」こと。
頑張らなくていい。完璧じゃなくていい。たくさんじゃなくていい。
今日から「笑顔でできる一歩」を踏み出してみましょう。「5分歩こう」でも、「深呼吸しながら肩を回そう」でもいいんです。運動が苦手な人ほど、若返りの伸びしろが大きいボーナスチャレンジです!
今日から踏み出すその「一歩」が、あなたのDNAを若返らせるはじめの「一歩」です。
さあ、一緒に笑顔で楽しく歩いてみませんか?

🪞参考文献・出典
- Tarzan Web「有酸素運動は老ける?筋トレとの両立方法と注意点」(2024)https://tarzanweb.jp/post-306097
- WIRED Japan「持続的な運動が、分子レベルで老化を遅らせる:研究結果」(2023)https://wired.jp/article/exercise-reverse-epigenetic-aging/
- ダイヤモンド・オンライン「長距離の“有酸素運動”は脳を老化させる」(2020)https://diamond.jp/articles/amp/242249


